泥沼通信

祭りの戦士 @ กลับมาจากกรุงเทพฯ

 

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作品・たとえば波打ち際にて

引き続き中西夏之のギャラリーを………。



昔、友達が僕のアパートに遊びにきて、中西夏之の画集を見ながら「こんな絵が好きなの? 全然わかんねー。おまけに同じような絵ばっかりなのがまたガンだなあ。」と言っていた。僕には何度見ても飽きない絵なんだけれど………。これらの絵を見るたびに、絵を見ることの悦びに僕を引き戻してくれるのだ。

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柔らかに 還元



 1996年作。中西夏之の僕が知ってる一番新しい作品。昨日60歳って書いたんだけど、年譜で確認したら1935年生まれで、もう70歳になるんですよ。
 おまけに東京芸大の教授になっている。って、エーッ!! 何を教えてるんだ?

 若いときの中西夏之はハイレッドセンターという一種のハプニング集団を創っていたんだ。ところが『反動だと言われるかもしれないが……』といいながらタブローを描きはじめる。それがこれらの素晴らしい絵画なのだが………。
 今度は芸大の教授ですか! ことごとく前衛の常識を打ち破ってくれますねえ。これは確信犯と見ましたがいかがでしょうか。

 とにかく中西夏之が現代日本の美術の王様であることは間違いない!

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夏のための


 この美しい絵画に出合ったのは20代初めの頃、個展を開く画廊を物色するため銀座のギャラリー街をうろついていたときだ。その頃の僕の絵といえばコキタナイもので、友達にはゲロの絵だなんて言われていた。ポストモダンな時代の雰囲気がイヤで、ドロドロした人間臭い表現を求めていたからだ。
 ところが、この中西夏之の絵画の美しさ、高雅さはどうだろう。なにか格の違う高貴さを感じた。こんな絵もありうるのだ…………そう思った。
 その後、僕は作品を創らないという戦略を選んだ。しかし中西夏之は今も同じような、タブローを描き続けている。が、それは相変わらず美しく妖しい輝きを放ち続けている。もう60歳ぐらいになる人だというのに…………。
 中西夏之の絵画は、僕の作品を創らないという戦略に疑問符を突きつける。自分の選択が間違ってるとは思ったことはない。しかし事態はそう単純ではない、ということを思い出させてくれる。
 どうだろう。これは絵であって絵でないのではないだろうか?僕の脳裏に浮かんでくるのはタブローという平面の前で舞を舞っている中西夏之の姿なのだ。

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プロフィール

荒井賢 (Ken Arai)

 住所 埼玉県越谷市
 生年月日 1964年2月15日
 職業 アニメーション背景制作
 連絡先 araiken#mac.com #を@に置き換えてください。



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