泥沼通信

祭りの戦士 @ กลับมาจากกรุงเทพฯ

 

Category: 思想など   Tags: 芸術  思想  

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世界が私のカンバスだ!

 私はかつて絵描きを名乗っていたことがあります。3年ほどのキャリアの終わりに銀座でささやかな作品展を開きました。しかし結局はその作品展が最初で最後の作品発表になりました。というのも、自分の芸術に関する観念が成熟するにつれて、作品を作らず、日常生活の中に芸術を解消するという方向をとっていくことになったからです。
 絵画や映像、あるいは詩や文学作品にしても、結局のところフィクションに過ぎない。カンバスの上にどれほど美しい世界をくりひろげたとしても、また、いくら心ときめく冒険の物語を作りあげたとしても、それは作品の中での話に過ぎません。作品の枠を越えて、生活そのものを芸術で満たしてしまいたい。そんな気持ちが私の中で大きくなっていったのでした。
 だがしかし、なぜそのような作品世界を人は作ろうとするのでしょう?おそらくは、自分自身そのような心ときめく生を、美しい生を求めているからではないでしょうか。当然でしょう。自分自身の欲望を、理想を実現してゆくことが生きることだとすれば。
     
 もちろん作品によって自己を表現して、新しい生の局面を切り開いてゆくということは可能でしょう。私も、文学、美術など芸術表現の媒体(メディア)とは、そのように自らの生を充実させる手段であると考えていました。しかしすでにダダイストたちは、それら芸術表現の制度を破壊し尽くし、身体こそが人間の根源的な表現のメディアあるということを発見していました。芸術とは「行為」であると、つまり芸術とは生きることそのものだというのです。
 彼らの弟子である私は、さらに問題意識を先に進めなければなりません。身体という根源的な表現のメディアの発見を浮き立たせるためには、文学、美術、演劇、映像といった二次的な表現のメディアの使用には、ストイックにならなければなりません。そして、日常の生活の中にこそ欲望の、理想の実現のドラマがなければならないと思ったのです。それが、芸術を日常生活の中に解消すると言うことの意味であり、私が作品を作らなくなった理由です。

 今現在、私は芸術作品というものをいっさい作っていません。もちろん詩を書くことも、絵を描くこともありません。しかしながら、もし身体が根源的な表現のメディアであるとすれば、それは「私の生そのものが詩である。」と言いかえることができるのではないでしょうか?
 また逆に、私自身が表現の主体でもあることを考えれば、「世界」、身体の対極の概念である世界そのものを、表現のメディアとしてとらえかえすこともできるのではないでしょうか? とすれば、「世界が私のカンバスだ。」と言えるのではないでしょうか? すなわち、生とは、世界というカンバスに描かれた詩であり、それはまた芸術そのものなのです。

Category: 前衛芸術研究室   Tags: 前衛芸術研究室  マンガ  芸術  

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フリードリッヒ・ニーチャの前衛芸術研究室 目次

第1回講義 ポール・セザンヌ

ポール・セザンヌ1
ポール・セザンヌ2
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おすすめコラム集

  1. 祭りの戦士とは何か?
  2. 世界が私のカンバスだ!
  3. 芸術を日常生活に解消するために
  4. 祭りのあと
    第1節 アバンギャルドとは反芸術である
    第2節 芸術とは至高性の追求である
    第3節 反芸術とは芸術の原初への回帰である
    第4節 シュルレアリスムの夢
    第5節 祭りのあと
    第6節 新しい祭り
    資料 ギャラリーオーナーへの手紙
    あとがき 
  5. 岡本太郎『曼陀羅頌』を読む   
    第1節
    第2節
    第3節
  6. タコ部屋の青春
    第1節 資本の紡ぐ夢
    第2節 祭りの精神の奪回
    第3節 世界の変革と自己の変革
  7. 新・異人論序説
    第1節
    第2節
    第3節
  8. メディアとしての身体
    第1節
    第2節
    第3節
  9. イラク日本人人質事件を語る!
  10. 影に怯えるアメリカと「祭り」の精神
  11. ニートをめぐって
  12. ユルユルのタイ人
  13. イレギュラー
  14. 花粉症とセキュリティ
  15. ちょっと気になっている対立
  16. 安全と効率は対立しない のか?
  17. 内田樹批判
    何かが違う!
    自己肯定の自画像
    希望格差社会
     
    センセーそれはあんまりじゃございませんか………その1
    センセーそれはあんまりじゃございませんか………その2
    センセーそれはあんまりじゃございませんか………その3
    センセーそれはあんまりじゃございませんか………その4

    センセー、やっぱり違うと思います! その1
    センセー、やっぱり違うと思います! その2
    センセー、やっぱり違うと思います! その3

    「居直り」という問題 その1
    「居直り」という問題 その2

    内田批判のまとめ

    資本主義社会における贈与とは反抗することである
    労働は本当にオーバーアチーブメントなのか?
    マジシャン
  18. SUNAMI
  19. 体臭
  20. TAROの訣別
  21. 操作する権力は逸脱を敵視する
  22. 十字架にかけられる多様性
  23. 祭りの戦士は前線に立ち続ける
  24. コミュニケーション・スキルについて
    コミュニケーション・スキル
    コミュニケーション・スキル2
    コミュニケーション・スキル3
    コミュニケーション・スキル4
  25. 交流仮面
  26. 欲望の政治の系譜
  27. Gilさんのこと
  28. ブックマーク
    「革新的なことを成す為には」
    「「ニート」って言うな!」
    「フリーターに未来はない?」
  29. 亡霊退治
    フランシス・ベーコン
    亡霊を複製する亡霊
    ヨゼフ・ボイスへのレクイエム
    『アシッド・キャピタリズム』を読む (前編)
    『アシッド・キャピタリズム』を読む (中編)
    『アシッド・キャピタリズム』を読む (後編)
    「文化」とは肯定された生の姿である
  30. ソンクラーン
  31. ポストモダン建築のいやらしさ
  32. 一発目
  33. 呪われた「外部」
  34. 傍流の価値
  35. おばあちゃんが言っていた、、、その1
  36. おばあちゃんが言っていた、、、その2
  37. おばあちゃんが言っていた、、、その3
  38. ...,or do you want to change the world?
  39. タイのハーバーマスと貧困の文化
  40. 相変わらずの「臭い」パフォーマンスだぜ!
  41. ラディカルとは何か
  42. 美大における個性とは何か?
  43. スラム/戦術/ブリコラージュ、そして平滑空間
  44. スーパーフラット
  45. バンコク炎上 2010
  46. 芸術の脱構築(書きかけ)
  47. 「アートという罠」の構造(書きかけ)
  48. 村上隆の亡霊実践論
  49. アートシーンではなく<文化>を!
  50. 芸術(アート)への斥力
  51. パフォーマンスの現象学 plus+
  52. これはパフォーマンスではない その1
  53. これはパフォーマンスではない その2
  54. 白黒ハッキリつけさせてもらおうじゃないの
  55. ダンボール絵画についての覚書
  56. リセットはもういい
  57. 左翼コスプレ
  58. 岡本太郎は芸術の終わりなき脱構築の実践者である その1
  59. 岡本太郎は芸術の終わりなき脱構築の実践者である その2
  60. 1票の力より、反-力な祭りにこそ意味がある


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プロフィール

荒井賢 (Ken Arai)

 住所 埼玉県越谷市
 生年月日 1964年2月15日
 職業 アニメーション背景制作
 連絡先 araiken#mac.com #を@に置き換えてください。



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