泥沼通信

祭りの戦士 @ กลับมาจากกรุงเทพฯ

 

Category: 思想など   Tags: 思想  原発  

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社会正義のために経済の「破綻」を恐れてはならない

自然エネルギーの飯田哲也とか、共同体自治を訴える宮台真司の話を最近読んだり聴いたりしていて、まあ面白いんだけど、結局、資本主義の「成長」イデオロギーのなかを動いてるよなあ、と虚しくなるのも確か。それは没落する日本経済に対する経済学者の諸説を聞いていても感じるところだ(リフレ派とか)。ぶっちゃけ私にはラディカルな立場だけがピンとくる。「もっと暗闇を!」に続いて小倉利丸の文章から響いてきたところをメモ↓。

 私が言いたいのは、制御が究極的には不可能な原発技術を目先の利益のために選択し、実際にその利益を得てきた受益者や有権者は、その利益だけを取るべきではなく、リスクに対する責任も負わなければならないということだ。利益は取るが、リスクが現実のものとなったときには「リスクの責任は自分にはない」と逃げることがなぜ許されるか? 現在の財界の基本的な姿勢は「原発による低コストの発電の利益をよこせ、しかしリスクへの責任は東電と国にあり、われわれはその責任をとる必要はないし、リスクに伴うコストは支払わない」というものだ。もちろん財界はこうした本音をそのまま表明することはない。かれらは、たいてい次のように言う。原発による電力の安定的で安価な供給が滞れば、エネルギーコストの増加や生産活動に支障をきたし、国際競争力を失い、日本経済の成長に支障をきたす。経済成長を阻害することになれば、雇用状況は悪化し、税収は減る。原発を動かさなければ日本はもっと貧乏になるし、東日本震災や原発事故の復旧に必要な財源も確保できなくなる、それでもいいのか? という恫喝である。私たちの答えは「それでもいい」でなければならない。しかし、こうした財界の愛国心に訴えるかのような恫喝は、現実の資本の行動と一致していない。増税や労働コストの上昇、環境規制の強化などがあれば、かれらはさっさと海外に移転するし、国内の原発建設が困難になれば輸出で稼ぐことをためらわない。このような「経済」の道理に私たちは付き合うべきではないのだ。有権者として都市の「受益者」としてとるべき責任とは、原発を廃炉にするための政治選択と生存を犠牲にする経済への断固とした拒否だ。



 社会的正義のためにあえて既存経済の破綻の道を選ぶという過酷な選択だけが、生存のための経済へと転換する唯一の手がかりである。このことがもたらす経済的な損失は、人々の生存の損失を意味するとは限らないのである。経済を資本の利益に焦点をあわせたり、国家利益に従属させるのではない「経済」というものがありうるのだ。また、いかに「日本経済」なるものが破綻しても、コミュニティの力が人々の生存を維持させつづけることはありうるのである。こうした新たな経済の再設計にチャレンジする強い創造力を持つことが、私たちに問われている。事実、「国民経済」が破綻しても民衆レベルの自立的自治的な経済がむしろ生存の経済として機能する例は決してすくなくない。(破綻したアルゼンチン経済、パレスチナの難民キャンプの経済、第三世界のスラムの経済、先進国の都市下層の経済は、国家と資本から自立していればいるほど自己統治の潜勢力を保持できたといえる)



社会正義のために経済の「破綻」を恐れてはならない──原発事故から学ぶべきこと── 小倉利丸
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