泥沼通信

祭りの戦士 @ กลับมาจากกรุงเทพฯ

 

Category: 亡霊退治   Tags: 思想  芸術  

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アンドレ・ブルトンというアヴァンギャルドのドン(首領)が

「芸術においては、生命の危険を冒さずには、いかなる偉大な探検も企てえない、また芸術家は誰しも、たった1人で金羊毛を探しに再び出かけねばならない。」と言っている。また、奇しくもペシミスティックな批判理論で有名な思想家テオドール・アドルノも
「……芸術の上で抵抗力をとり戻せるのは,ひっきょう社会的にも要求されている客観的な事柄が,時には絶望的な孤立化においてのみ守りぬかれることにもたじろがぬ者だけだ。見せかけの必然性や法律によりかからず,完全に独力でそれを仕遂げる用意のある者だけに,孤立無援な人間の映像にとどまらぬものが,いつか叶えられるかもしれないのである。」と、文化の唯一の希望を前衛の中に見て取っている。

私たちの時代の惨憺たる文化状況への危機感から生まれた運動がシュルレアリスムであり、アドルノの言葉なのであろうが、結局どちらも「芸術」というブルジョワ的概念にアヴァンギャルド(前衛)運動を回収してしまっている。しかもまるで芸術家が「芸術=作品創造」のために絶望的に孤立し、生命の危険にさらされねばならない、みたいな話になっている。さらにアドルノなら、そうして勝ち取られた芸術作品も商品化を逃れることか出来ないから云々と、ペシミスティックなオチをつけて話をまとめるんだろう。

そうじゃなくて、アヴァンギャルドが探検に出かけるのは、私たちの日常生活や文化の退屈さに我慢ならないからであって、金羊毛などを捕まえるためではない。孤独と危険を伴った探検のときめきの瞬間自体が目的なのであり、文化という言葉を当てはめるなら、探検によって獲得した物(芸術作品)にではなくて、探検そのもの(生)に当てはめなければならない。
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プロフィール

荒井賢 (Ken Arai)

 住所 埼玉県越谷市
 生年月日 1964年2月15日
 職業 アニメーション背景制作
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