泥沼通信

祭りの戦士 @ กลับมาจากกรุงเทพฯ

 

Category: 旅行・タイなど   Tags: Thai  

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パタヤ


 パタヤに行ってきた。ご存知の方もあるかと思うが、パタヤというリゾート地は、ベトナム戦争当時に米兵の帰休地として開発されたという経緯をもっている。戦闘で疲弊した兵隊を癒すあらゆる快楽が用意されていたという。海、酒、女、ドラッグ………。
 戦争が終わり米軍が撤退すると、パタヤは観光地として生まれ変わった。はっきり言って海は湘南あたりと大差ない有り様だが、歓楽街として観光客に快楽を提供する場であり続けている。
 夜のパタヤはピンク色に染まる。そこで働く女たち………ビーチ沿いに無数に軒を連ねるスタンドバー、ゴーゴーバー、おかまバー、娼婦置屋、アプ・オプ・ヌアット(日本で言うところのソープランド)………などで働く女性(だけではないが)のすべて、ではないだろうがほとんどは売春婦(夫)である。さらに、海岸通りの闇で客を待つフリーの売春婦を加えると、いったいどれだけの人口が性産業にたずさわっているのだろうか。………毎晩どれくらいの精液がこの街で発射されるのだろう?………なんて考えてしまう。

 客になってるのはおもに白人観光客だ。シンガポールや香港、台湾などから来る中国系、あるいはインド・アラブ系、などもよく見かける。もちろん時には日本人も………。しかしやはり圧倒的に目を惹くのは、白人だろう。
 パタヤ、そしてその周辺の観光地には白人男性とタイの女性のカップルがあふれている。もうこれは日常的な光景だ。どちらがどちらのエスコートをしてるのかわからないが、手頃なパートナーを見つけて疑似恋愛を楽しんでいる。
 驚くべきなのは、タイ人たちはこの事態を顔をしかめることもなく、平然と、微笑みをもって受け入れていることだ。よほどオルタナティブな発想を持った人ならともかく、ふつう自国の女性が、大挙して訪れる金持ちの外国人のお相手をしてるのを見せつけられると、複雑な気持になりそうなものだが………。
 公式には、タイ政府もタイの上流階級もこのような現実を認めていないだろうが、庶民は公然と売春産業を受け入れている。なんていうか、まったく気にしてないという感じで、観光客が金を落としていってくれるならそれでいいじゃないか、と思ってるようにしか見えない。

 売春は立派な労働であり職業だ。労働であるが故にそれはつらい苦役であるにしろ、他の職業と何が違うというのか………と思う。しかしながら、現実には不当な差別があり、公然とこの職業を主張できる状況にはない。そこはまあ、家父長制なんて問題ともかかわるところなんだろうから、そういう議論はとりあえずフェミニストにおまかせするとして………。
 それにしてもこんなに開けっぴろげな売春の風景は見たことがない。僕にしたって世界中を見て回ったわけではないので、正確なところを申し上げることはできないにしても、このあっけらかんとした、開放的な売春の風景はちょっと驚異でさえある。
 これ、もちろんパタヤだけではない。津波の被害にあったプーケットもそうだし、サムイ島、あるいはバンコクのパッポン、スクムウィットなどでも繰り広げられている光景なのだ。

 なぜ、こうなるのか? 日本人がひっかかっているようなつまらぬこだわりがない、ということなのか? タイ人ってけっこうオルタナティブな人たちなのだろうか? そうも思える。ちょっと見た感じ、売春婦へのあからさまな差別は見たことがない。(実際にはそんなこともないと言うが。)

 タイ人は肉体的な快楽に正直な人たちだ。そして汗水流して働くということを好まないのも確かである。サバーイ(快適)という言葉にそれは素直にこめられている。売春は肉体的に楽なわりに稼げる仕事であるが故に(まあ、性感染症なんかのリスクも高いわけだが)、単純に肯定されているのか? ……だとしてそれは安易さなのか? いやしかし、安易というなら売春はやはり禁じられたものであるはずだ。だが売春がまったく禁じられていないなんてことはありうるんだろうか………。ちょっと待てよ、「安易」なんて言葉は、僕の中の「勤勉」が言わせてるんじゃないのか?…………

 とまあ、こんな調子でそのへんはちょっとはっきりとした答えが出せないでいるのだが、少なくともわれわれがこだわっている規範やモラルのようなものが、タイではあまり強固には働いていないってことは確かだと思う。こういう風土では、日本では問題になる、例えば援助交際なんてことが、真面目な議論の対象にならないような気がする。
 それゆえ感じる開放感や脱力感みたいなもの、それが僕には快感である。タイ人のこだわりのなさには脱帽する。しかしそこには安易さというか、あきらめのような何か不潔な惰性のようなものも感じてしまうのだ。すごい、でも本当にこれでいいの? 僕がいつもタイ人を見て感じることはこれなのだ。

Comments
 
はじめて訪れたタイの驚きは、売春でしたねぇ。
バンコクは、ナナにいったのですが売春のすごさにビックリ。
男性も売春産業のおかげで飯を食えている人がなんとおおいこと。
とおる。は売春とかが本質的に嫌いだから見るだけでしたけどね。
 
良きにつけ悪しきにつけ、売春のことを抜きにタイは語れないでしょうね。僕的には売買春は、まあ、肯定してます。現実には薄暗くてコワ〜イ面があるのも確かでしょうが………。
見るだけってのは、例えばゴーゴーバーなんかに入ってみました?客になるとかそういうことは抜きにしても、店でビールでも片手に女の子とおしゃべりしてみるってのは、体験としておもしろいといと思います。目からウロコが落ちるようなこともあるかもしれません。
ウ〜ン、スタジアムでのサッカー観戦を勧められている僕が、逆に何を勧めてるんだか………。
 
ゴーゴーバーには入ったことありますよ。
女の子とも話しました。売春の何が悪いの?って感じの話をされましたね。
とおる。も売春の善悪については、ちょっと考えるところがあります。一概に悪いとは言えないかな?みたいな。もともとマルキドサドとか読んでいたこともありますし。
結婚とは長期にわたる売春契約だ、みたいなくだりがあって、妙に納得していた時期もあります。
そーそー最近、フィリピンパブに行く機会が結構ありまして、そういうところでもまじめに話をしてしまう自分に興ざめです。この前なんか、人生観について小一時間話してました(汗)
女の子もまじめに話してくれたなぁ。
 
なるほど………。
それにしてもサドってずいぶん昔の人なのに、言ってることは新しいですね(確かフランス革命の頃の人だったはず)。結婚が長期にわたる売春だっていうのは、最近になってフェミニズムなんかで議論されるようになったことだと思ってました。………でも確かにその通り、ではあるんですよね。
ところでそのフィリピン女性もすごいですねえ。一体どんな人生観を語ってくれたんですか? まさか「生きることに意味があるのか?」とか、実存主義者みたいなことを語ってたりして………。真剣な顔でそんなことを語るフィリピン人とかタイ人がいたら会ってみたいなあ(笑)。

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プロフィール

荒井賢 (Ken Arai)

 住所 埼玉県越谷市
 生年月日 1964年2月15日
 職業 アニメーション背景制作
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